初代『赤・緑』で登場した唯一のドラゴンタイプであり、四天王ワタルの相棒、カイリュー。
丸みを帯びた可愛らしいデザインと、圧巻の合計種族値「600」を持ちながら、対戦史においては長らく不遇の時代を過ごしてきました。
長い長い下積みの結果、現代対戦界では王の座へと上り詰めることができました。
今回は、初代ラストに相応しい「伝説の龍」の激動の対戦史を振り返ります!
カイリューの概要
カイリューのデータ
![]() カイリュー | |||
|---|---|---|---|
| 全国図鑑No. | 0149 | 初登場世代 | 第1世代 |
| タイプ | ドラゴン ひこう | 重さ技威力 | 120 |
| 通常特性1 | 通常特性2 | ||
| せいしんりょく | ー | ||
| 隠れ特性 | |||
| マルチスケイル | |||
![]() メガカイリュー | |||
|---|---|---|---|
| タイプ | ドラゴン ひこう | 重さ技威力 | 120 |
| 特性 | |||
| マルチスケイル | |||
カイリューの種族値
| 第1世代 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| HP | 攻撃 | 防御 | 特殊 | 素早 | 合計 |
| 91 | 134 | 95 | 100 | 80 | 500 |
| 第2世代以降 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早 | 合計 |
| 91 | 134 | 95 | 100 | 100 | 80 | 600 |
![]() メガカイリュー | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早 | 合計 |
| 91 | 124 | 115 | 145 | 125 | 100 | 700 |
元祖ドラゴンタイプであり、600族の始祖。
初代から圧倒的な種族値を誇っていたが、環境に恵まれなかったり、上位互換に近いライバルが登場してしまったり…。
長らく不遇ドラゴンとして対戦環境では大きな活躍ができなかった。
そんな中転機が訪れたのは第5世代。
チート特性「マルチスケイル」を獲得し、長い下積み生活に終止符が打たれた。
そこからは常にトップメタに名を連ねる常連となった。
そして第9世代、カイリューがついに王の座に君臨する。
テラスタルとの相性が抜群であり、「ノーマルテラスしんそく」で破壊の限りを尽くしていた。
チャンピオンズではメガシンカも使用でき、物理・特殊・サポートなんでもできる最強の600族として大活躍中である。
カイリューの歴史と評価
カイリューが各世代の対戦環境でどのような立ち位置にいたのか、その歴史をじっくり振り返っていこう!
第1世代(赤・緑・青・ピカチュウ)

最強のスペック!…しかし一致技と環境に恵まれず
初代のカイリューは超高スペック。
全ての種族値が高く、攻撃134は全体1位。
特殊も100あり、豊富な特殊技を扱える二刀流気味の性能であった。
初代では弱点であるドラゴン技が実質存在せず、岩技も飛んでくることはほぼない。
HP・防御・特防全てが高く、半減以下も多いため耐久方面も完璧!
…と言いたいところだが、初代環境ではあの技が乱れ飛んでいた。
そう、「ふぶき」である。
氷タイプに限らず「ケンタロス」や「スターミー」たちが涼しい顔をして吹雪を連打してくる環境であったため、いくらカイリューのスペックでも苦しすぎる状況であった。
一応不一致の吹雪くらいは耐えることができるが、そこから逆転する術が乏しく、結局狩られる側のポケモンであったと言える。
攻撃技は非常に豊富であり、高い攻撃を生かせる代名詞「はかいこうせん」をはじめ、「ふぶき」「10まんボルト」「だいもんじ」など、優秀な技は一通り覚えることができる。
他にも「でんじは」「こうそくいどう」から「まきつく」のコンボや、「つのドリル」まで使うことができ、その器用さは全ポケモントップクラスであった。
しかし、肝心のタイプ一致技が「りゅうのいかり」のみ。
実質タイプ一致技なしということであり、その高いスペックや器用さを持て余すスタートとなってしまった。
第2世代(金・銀・クリスタル)

一致技を獲得したが不遇の時代は続く…
第2世代の特殊分岐ではとくに数値は変わらず、現在と同様の600族となった。
初代では皆無だったタイプ一致技を一応習得。
飛行技は「つばさでうつ」「そらをとぶ」、ドラゴン技は「たつまき」「りゅうのいぶき」「げきりん(威力90)」という微妙すぎるラインナップ。これでどうしろとゲーフリさん…。
初代では反動を踏み倒せた「はかいこうせん」が弱体化し、未だ「じしん」「いわなだれ」といった優秀な物理技は習得できないため、相変わらず高い攻撃力を生かすのが難しかった。
『クリスタル』のイベントでしんそくカイリューが解禁され、高い攻撃力と相性の良い先制技を習得したのは良かったが、全体的にはまだまだ不遇な時代を過ごしていた。約20年後にノーマルタイプになって神速を連打することになるとはこの時誰も思っていなかった…。
第3世代(ルビー・サファイア・エメラルド)

習得技の改善と強力なライバルの登場
第3世代では「せいしんりょく」の特性を与えられ、あまりの渋さに顔をゆがめていた。
「ねこだまし」で怯まないメリットはあるが、実用性が高いとは言えなかった。
習得技は随分改善された。
安定した一致技である「ドラゴンクロー」を習得し、ようやく胸を張ってドラゴンタイプだと言えるように。
最強の積み技「りゅうのまい」や、待望の物理技「じしん」「かわらわり」も覚えられるようになった。
徐々にガチ対戦でも戦えるようになってきたと思ったが、この世代ではドラゴンタイプが多く誕生し、強力なライバルとなった。

とくに意識しなければならないのが「ボーマンダ」と「ラティオス」である。
ボーマンダは同じ600族で全く同じタイプ。攻撃・特攻・素早さ全てが負けており、特性の実用性も完敗。
同じ600族なのにほぼ劣化と言っても過言ではない形になってしまっている。
ラティオスはタイプこそ違うが4倍弱点がなく、高い素早さと特攻を両立しており、当時特殊技扱いの「ドラゴンクロー」を高火力で扱うことができる。
差別化ができないわけではないが、ドラゴンタイプのアタッカーとしてはまだまだ不遇の時代を過ごすことになってしまった。
第4世代(ダイヤモンド・パール・プラチナ)

げきりんが大幅強化!物理型が一線級に
第4世代では技の仕様変更やアイテムによってカイリューにとっては追い風が吹いた。
「げきりん」が物理技の威力120となり、超火力のメインウェポンに。
それに伴い「こだわりハチマキ」や「こだわりスカーフ」との相性が良くなり、一気に使い勝手が増した。
もちろん高い耐久を生かして「りゅうのまい」を積むのも強力であった。
この世代で登場した「ゴウカザル」に強く、「トゲキッス」のエアスラッシュで怯まない点も評価が高かった。
最強ポケモン「ガブリアス」爆誕!

この第4世代で新たな600族「ガブリアス」も爆誕してしまった。
タイプは違うが、電気無効で攻撃130、素早さ102という最強格の種族値をしており、技範囲が広いドラゴン&地面技をタイプ一致で使うことができる最強ポケモン。
「げきりん」「じしん」をするだけならガブリアスでええやんということになってしまう。
幸い、カイリューは非常に器用であり、「でんじは」「はねやすめ」「しんそく」などを覚えるため単純な劣化にはならないが、常に意識しなければいけない存在となった。
ようやく長かった不遇時代は抜けた感があるが、ライバルの強大さは増しており、ドラゴン対面に弱いという致命的な弱点のせいで使用率は大きく上がらなかった。
第5世代(ブラック・ホワイト)

神特性「マルチスケイル」で一気にトップメタへ!
カイリューの人生を激変させたのが第5世代。
隠れ特性「マルチスケイル」を獲得し、ライバル達と完全に差別化でき、唯一無二の性能となった。
「HP満タンのときに受けるダメージを半減する」チート効果であり、4倍弱点の氷技を受けても耐えることが可能になった。
これによって行動保証ができたのが非常に大きく、「りゅうのまい」を積むタイミングを簡単に作り出すことができる。
凄まじいタイマン性能を発揮し、今までの不遇が嘘のようにトップメタへと駆け上がった。
この世代から現代まで続くカイリューの強さの8割くらいはマルスケの性能と言っても過言ではない。
あまりにも強い特性ではあるが、弱点がないわけではなく、マルスケ潰しの「ステルスロック」を撒かれることが激増。
「パルシェンのつららばり」や「かたやぶりオノノクス」で貫通されることも覚えておきたい。
長い時を経てカイリューが第一線に浮上した革命的な世代であり、もはや他のポケモンとの差別化を考える必要性すらなくなったと言えるだろう。
第6世代(X・Y・ORAS)

新アイテム「じゃくてんほけん」が登場!
第6世代でも元気に大活躍が続いていた。
多くの初代ポケモンがメガシンカを獲得して強化された分、メガを貰えなかったのは残念だったが、さすがに強欲すぎるというものだろう。
基本的には前世代と同様、マルチスケイルを盾に行動回数を確保し、そこから積み技を使ったり超火力で殴る動きは変わらない。
新アイテム「じゃくてんほけん」が登場し、カイリューとの相性は良好だった。
めざパの弱体化や特殊技の威力低下もあり、マルスケで弱点を突かれても耐えることができるため、弱点保険の発動は容易。
弱点を突かれながら「りゅうのまい」を積むと、一瞬で攻撃3ランク&素早さ1ランクアップという凄まじい決定力を手に入れることができる。
苦手なフェアリータイプが登場した世代だったが、圧倒的なスペックの高さで使用率は常に上位であった。
もうあの頃の不遇ドラゴンの面影はなかった……。
第7世代(サン・ムーン)

強力なフェアリー爆増で使用率低下
第7世代ではカイリューにとって大きな逆風が吹いた。
自身の性能自体はとくに変わらなかったが、「カプ系」「ミミッキュ」といった超強力なフェアリータイプが大量発生してしまったのである。
トップメタ中のトップメタである「ミミッキュ」と「カプ・テテフ」にはドラゴン技が通らないだけでなく、強みであった「しんそく」まで無効化されてしまう。
それでも十分なスペックを誇っているのは間違いないが、環境に蔓延するフェアリーへの対処には頭を悩ませる世代であったと言える。
ヒコウZにより瞬間火力をゲット
ドラゴン技の通りが悪くなったこともあり、この世代のカイリューは「ヒコウZ」を持たせることが増えた。
元々まともな飛行技がなかったカイリューにとってZワザは最高のシステムであり、1発限りとはいえ通りの良い飛行技を高火力で繰り出すことができるようになった。

この世代では第3世代からのライバルである「ボーマンダ」が超トップ層に君臨していた。
メガシンカすることにより飛行タイプの要素が強くなり、またもやカイリューの前に立ちふさがったのである。
持ち物が固定されないことや特性、習得技で差別化は簡単だが、シンプルに「龍舞を積んで飛行技で殴る」だけならメガボーマンダに軍配が上がってしまう。
よきライバル関係と言えば聞こえは良いが、この世代の使用率ではボーマンダが圧倒的であった。
第8世代(ソード・シールド)

ダイマックスとの相性が抜群!
第8世代では『冠の雪原』で無事内定。
どう考えてもダイマックスとの相性が良く、ぶっ壊れになるのではないかと危惧されていた。まさか次世代の方がぶっ壊れるとはね…。
案の定ダイマックスとの相性は抜群であり、マルチスケイル&ダイマックスでどんな攻撃でも耐えるレベルの耐久力を手にした。
「じゃくてんほけん」との相性も良く、タイプ一致のダイジェットと合わせると一瞬で試合を決められる性能を手にした。
「タイプ一致ダイジェットを使える」「サブウェポンが豊富」「相手のダイマックスを枯らす役目も担える」等、全てにおいてこの世代の環境が嚙み合っており、事実使用率も大幅に上がっていた。
第9世代(スカーレット・バイオレット)

長年の時を経て全ポケモンの頂点へ!
第9世代でカイリューの歴史が完成された。
ついに使用率1位の絶対的な王に君臨したのである。
新システム「テラスタル」との相性が神の領域に到達しており、「こんなんカイリューゲーじゃん」といった声も聞かれるようになった。
ノーマルテラス=優先度+2の「しんそく」がタイプ一致になり、圧倒的な抜き性能を獲得。
ひこうテラス:テラバーストで通りの良い安定した飛行打点を獲得。
他にもはがねテラスやフェアリーテラスも相性がよく、どのタイプだろうがテラスする時点で4倍弱点がなくなるため、極論なにをしても強いレベルである。
元々器用なポケモンではあったが、この世代で「物理アタッカー」「特殊アタッカー」「竜の舞全抜き」「鉢巻神速」「耐久受け型」「アンコール妨害型」と、「選出画面で型が読めなさすぎる悪魔」として対戦環境を完全に支配。
初代から30年近くの時を経て、ついに
「対戦界で一番強いポケモン」
へと上り詰めた世代であった。
ポケモンチャンピオンズ

メガシンカ爆誕!一転して特殊アタッカーに

Z-Aでメガシンカを獲得し、チャンピオンズで初期環境から使うことが可能。
自慢の攻撃が10下がり、特攻が100から145に爆増する。
素早さも激戦区の100まで伸び、特性は「マルチスケイル」のままで安定度抜群。
一気に特殊アタッカーとしての道が拓け、初代から覚えていた豊富な特殊技を存分に使うことができるようになった。
火力アップ特性を貰えなかったため、メガシンカ勢の中では火力が特別高いわけではないが、屈強な耐久力とそれなりの素早さ、技威力の高さもありシンプルに優秀。
通常カイリューの可能性、両刀や耐久型の可能性も考えなければならないポケモンであり、相手からすると非常に厄介な性能となっている。
王となった9世代ほどの使用率ではないが、常に安定して上位をキープしている。700族は強い。
テラスタルシーズンがきたらどうなっちゃうんだろうこのムーミン。
まとめ
「不遇ドラゴン」から「絶対王者」へ
カイリューの歴史は、まさに「ドラゴン技すら無かった不遇の時代から、マルチスケイルとテラスタルを手に入れて対戦界の頂点へと上り詰めた史上最高の成長劇」でした!
1~4世代:高スペックながら習得技が厳しく、強力なライバルたちの劣化と言われる。
5~7世代:最強特性「マルチスケイル」獲得で人生激変!安定して強いポケモンに。
8世代:ダイマックスと相性抜群!ダイジェットや「じゃくてんほけん」でエースに。
9世代:テラスタルによって王の座へ。間違いなく全ポケモン最強クラスの性能に。
チャンピオンズ:メガシンカ獲得で特殊アタッカーとしての道を拓く。
元祖ドラゴンであり、最初の600族なのに長い不遇機関を過ごしたカイリュー。
5世代から全てのシステムに適応し、全ポケモンの王まで駆け上がっていった成長物語は涙なしでは語れませんよね!
あなたが一番思い出深いのは、どの世代のカイリューですか?
いろんな思い出をぜひコメントしてください!





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